厚生年金の保険料・計算方法

厚生年金の保険料は、毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(ボーナス、標準賞与額)に保険料率をかけて計算します。(総報酬制)

保険料率は4種類あり、

  • 一般の被保険者等
  • 一般の被保険者等で厚生年金基金加入員
  • 抗内員・船員の被保険者
  • 抗内員・船員の被保険者で厚生年金基金加入員

これらについて、それぞれ定められています。

平成23年度(平成23年9月1日~平成24年8月31日)の保険料率は、以下のようになっています。

  • 一般の被保険者等・・・16.412%
  • 一般の被保険者等で厚生年金基金加入員・・・11.412%~14.012%
  • 坑内員・船員の被保険者・・・16.944%
  • 坑内員・船員の被保険者で厚生年金基金加入員・・・11.944%~14.544%

保険料率は平成17年9月以降、毎年9月に引き上げられており、一般の被保険者等で、平成23年9月~平成24年8月の保険料率は16.412%となっています。

給料のおよそ16%と言うとかなり大きい保険料に感じますが、厚生年金の保険料は原則として被保険者と事業主がそれぞれ2分の1ずつ負担するので、実質的な負担率は約8.2%です。

保険料率は、平成29年度(2017年度)に18.3%まで引き上げられ、平成29年9月からは固定されます。(なお、インフレ率の上昇等により保険料率が上昇する可能性はあります。)

保険料は給与から天引きして納付されるため、保険料が上がってもあまり気付かないかもしれませんが、2004年~2017年の間に4.72%上がることになっています。

標準報酬月額とは

厚生年金の保険料は、毎月の給与に保険料率をかけて計算すると述べましたが、正確にはちょっと異なります。

それぞれの給与額に直接料率を掛けて算出するのではなく、給与額を1等級から30等級の30段階に区分し、該当する段階(等級)に定められている保険料を払います。

一般の被保険者の場合は、下表のようになります。

標準報酬 報酬月額 一般の被保険者等の保険料
(厚生年金基金加入員を除く)
全額 折半額
等級 月額 日額 16.412% 8.206%
    円以上 円未満  (単位:円) (単位:円)
1 98,000 3,270   101,000 16,083.76 8,041.88
2 104,000 3,470 101,000 107,000 17,068.48 8,534.24
3 110,000 3,670 107,000 114,000 18,053.20 9,026.60
4 118,000 3,930 114,000 122,000 19,366.16 9,683.08
5 126,000 4,200 122,000 130,000 20,679.12 10,339.56
6 134,000 4,470 130,000 138,000 21,992.08 10,996.04
7 142,000 4,730 138,000 146,000 23,305.04 11,652.52
8 150,000 5,000 146,000 155,000 24,618.00 12,309.00
9 160,000 5,330 155,000 165,000 26,259.20 13,129.60
10 170,000 5,670 165,000 175,000 27,900.40 13,950.20
11 180,000 6,000 175,000 185,000 29,541.60 14,770.80
12 190,000 6,330 185,000 195,000 31,182.80 15,591.40
13 200,000 6,670 195,000 210,000 32,824.00 16,412.00
14 220,000 7,330 210,000 230,000 36,106.40 18,053.20
15 240,000 8,000 230,000 250,000 39,388.80 19,694.40
16 260,000 8,670 250,000 270,000 42,671.20 21,335.60
17 280,000 9,330 270,000 290,000 45,953.60 22,976.80
18 300,000 10,000 290,000 310,000 49,236.00 24,618.00
19 320,000 10,670 310,000 330,000 52,518.40 26,259.20
20 340,000 11,330 330,000 350,000 55,800.80 27,900.40
21 360,000 12,000 350,000 370,000 59,083.20 29,541.60
22 380,000 12,670 370,000 395,000 62,365.60 31,182.80
23 410,000 13,670 395,000 425,000 67,289.20 33,644.60
24 440,000 14,670 425,000 455,000 72,212.80 36,106.40
25 470,000 15,670 455,000 485,000 77,136.40 38,568.20
26 500,000 16,670 485,000 515,000 82,060.00 41,030.00
27 530,000 17,670 515,000 545,000 86,983.60 43,491.80
28 560,000 18,670 545,000 575,000 91,907.20 45,953.60
29 590,000 19,670 575,000 605,000 96,830.80 48,415.40
30 620,000 20,670 605,000   101,754.40 50,877.20

なお、被保険者負担分(上の表の折半額)に1円未満の端数がある場合の処理方法は、

  • 給与から天引きする場合・・・被保険者の保険料50銭以下は切り捨て、50銭超は切り上げ
  • 被保険者から事業主へ現金で払う場・・・被保険者の保険料50銭未満は切り捨て、50銭以上は切り上げ

となります。事業主と被保険者の間で特約がある場合には、特約に基づき端数処理をすることができます。

その他の等級表については、以下のリンクを参照ください。

保険料額表(厚生年金保険と協会けんぽ管掌の健康保険)|日本年金機構

標準賞与額とは

ボーナスに対する厚生年金保険料の計算に関するものです。

標準賞与額とは、実際の税引き前の賞与の額から1千円未満の端数を切り捨てたものです。こちらについては等級は定められていませんが、150万円を超えるときは150万円とされ、それ以上は計算されません。

児童手当拠出金率

厚生年金の適用事業所は、厚生年金の保険料とは別に(上乗せして)、毎月、児童手当拠出金を徴収されています。児童手当拠出金については事業主が全額負担となります。

金額は、従業員の厚生年金標準報酬月額に0.13%を乗じた額です。

この児童手当拠出金は、従来は「児童手当」に充てられていたものでしたが、平成22年度からは「子ども手当」の財源に充てられています。

保険料の納め方

保険料は、加入者と事業主とが半分ずつ負担することになっています。事業主は毎月の給料または賞与から保険料を差し引いて、翌月の末日までに納めることになっています。

厚生年金基金に加入している方の保険料率

厚生年金基金に加入している方の厚生年金保険料率は、一般の被保険者の方の本来の保険料率から免除保険料率(2.4~5.0%)を控除した率となります。そのため、料率が少し低くなっています。免除保険料率は、加入する基金ごとに異なります。


FPのワンポイントアドバイス

保険料の算出が階段状の標準報酬月額によるため、給与が1円異なるだけで納める保険料が異なる場合があります。

そこで、企業側が負担を減らす(保険料を安くする)ために、標準報酬額の枠内のできるだけ上限額に近い給与にするという方法があります。

これにより、企業側の負担が少なくなる=従業員側の負担(天引き額)も少なくなるメリットがあります。

しかし、将来受給できる年金額がちょっと少なくなるというデメリットもあります。

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