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遺言書判例集

 

遺言書の破棄、隠匿(最判平成9年1月28日)

相続人が被相続人の遺言書を破棄又は隠匿した場合において、その行為が相続人の不当な利益を目的とするものでなかったときは、その相続人の行為は相続欠格事由に該当しない。
民法第891条第5号の趣旨は、遺言に関し著しく不当な干渉行為をした相続人に対して、相続人となる資格を失わせるという民事上の制裁を課そうとするところにある。

 

 

自筆証書遺言の押印(最判平成6年6月24日)

自筆証書遺言自体に押印はないが、これを封入した封筒の封じ目に押印がなされていれば、民法第968条第1項の押印の要件に欠けるところはなく、有効である。

 

 

カーボン複写による自筆証書遺言(最判平成5年10月19日)

遺言の全文、日付及び氏名をカーボン紙を用いて複写の方法で記載した自筆証書遺言は、民法第968条第1項の要件に欠けるところはない。

 

 

相続させる旨の遺言の解釈(最判平成3年4月19日)

被相続人の遺産の承継関係に関する遺言については、遺言書において表明されている遺言者の意思を尊重して合理的にその趣旨を解釈すべきものであるところ、遺言者は、その者と各相続人との身分関係及び生活関係、各相続人の現在及び将来の生活状況及び資力その他の経済関係、特定の不動産その他の遺産についての特定の相続人のかかわりあいの関係等、各般の事情を考慮して遺言をするのであるから、遺言書において特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言者の意思が表明されている場合、当該相続人も当該遺産を他の共同相続人とともにではあるが、当然相続する地位にあることにかんがみれば、遺言者の意思は、これらの事情を考慮して、当該遺産を当該相続人をして、他の共同相続人と共にではなく、単族で相続させようとする趣旨のものと解するのが当然の合理的な意思解釈というべきであり、遺言書の記載から、その趣旨が遺贈であることが明らかであるか又は遺贈と解すべき特段の事情がない限り、遺贈と解すべきではない。

 

【リンク集】

 日本公証人連合会
 法務省
 日本行政書士会連合会
 埼玉県行政書士会

 

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