退職願・退職届・辞表の書き方とルールいろいろ、円満退職お役立ちマニュアル

退職金とは

退職金制度とは、任意退職、定年退職、解雇、死亡等の理由で雇用関係が消滅することによって、事業主またはその委託機関から当該労働者(または当該労働者と特定の関係にある者)に対して一定の金額を支給する制度をいい、その種類として「退職一時金制度」と「退職年金制度」とがあります。

法律上、退職金については、「退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算および支払いの方法ならびに退職手当の支払いの時期に関する事項を定めなければならない。」と定められています。

「退職手当の定めをする場合においては」とあるように、退職金は必ず支払わなければならないというものではありません。労使間で何の取り決めもなく、慣習的にも支払われていない場合には、退職金を支払わなくてもよいことになっています。

就業規則等で定められ、支給基準が明確にされている場合に、その規程に従って支払われることになるため、会社によって支給の有無、金額の多寡があります。

退職金の計算方法

退職金の計算方法には、代表的なものとして以下の3つがあります。

  1. 一般的(基本給・勤続年数)方式
  2. 金額テーブル方式
  3. ポイント方式

一般的方式

「退職時基本給×勤続年数別係数×退職事由別係数」という、昔からよくある計算方法です。勤続年数が多くなるほど係数が高くなります。


金額テーブル方式

勤続年数(入社年次)に応じて金額を定めるという方法です。一般的方法と異なり、退職時の給与は計算に入ってきません。


ポイント方式

計算式は「(勤続貢献ポイント+仕事貢献ポイント)×ポイント単価」という、上記の2つとは大きく異なる計算方式となっています。給与について、年功序列型給与体系から能力実績重視の給与体系に移行する動きがありますが、それの退職金バージョンと考えると分かりやすいでしょうか。

退職金の税金

退職金は所得になるため、所得税がかかります。しかし、退職金は長年の功労報酬的な給与を一時的にもらうものであり、また、第2の人生をスタートするための大事な資金であることから、大きく保護されています。


退職所得控除

勤続年数

控除額

2年未満

80万円

2年以上20年以下

勤続1年当たり40万円

20年超

800万円+70万円×(勤続年数-20年)

年功序列型ではありますが、かなり手厚い控除となっています。

例:勤続3年で退職金を100万円もらった場合
→控除額が120万円あるため、所得税はかかりません。

なお、障害者になったことが退職の直接の原因である場合は、上記からさらに100万円加算されます。


所得税額の計算

退職金が退職所得控除の額を超えると、退職所得として税金がかかってきます。控除額を超えた分の1/2が退職所得となります。

退職所得=(退職金の額-退職所得控除額)×1/2

この式で得た退職所得に、税率をかけて所得税額を算出します。

所得税額=退職所得×税率


なお、「退職金の受給に関する申告書」の提出がないときには、退職金の支給額に対し20%の税率の所得税が源泉徴収されます。この場合は、確定申告を行うことにより所得税が精算されます。



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