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離婚判例3-離婚請求事件(東京地裁平成19年11月7日)

 

裁判年月日 平成19年11月 7日
裁判所名 東京地裁
事件番号 平16(タ)103号 ・ 平17(タ)12号
事件名 離婚請求事件

主文
 1 原告(反訴被告)と被告(反訴原告)とを離婚する。
 2 原告(反訴被告)と被告(反訴原告)の間の長男A(平成○年○月○日生)の親権者を被告(反訴原告)と定める。
 3 原告(反訴被告)は,被告(反訴原告)に対し700万円及びこれに対する平成17年8月16日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 4 原告(反訴被告)は,被告(反訴原告)に対し,本判決確定の日の翌日から平成33年3月まで,毎月末日限り,養育費として,1か月10万円の割合による金員を支払え。
 5 被告(反訴原告)のその余の請求を棄却する。
 6 訴訟費用は,本訴・反訴を通じ,これを10分し,その7を被告(反訴原告)の,その余を原告(反訴被告)の負担とする。
 7 この判決は,3項に限り仮に執行することができる。
 

事実及び理由

第1 請求
 1 本訴
 原告と被告とを離婚する。
 2 反訴(原告の請求が認容された場合の予備的反訴)
  (1) 反訴原告と反訴被告とを離婚する。
  (2) 反訴被告は,反訴原告に対し,本判決確定の日の翌日から長男であるA(平成○年○月○日生)が満24歳に達するまで,毎月末日限り,22万円を支払え。
  (3) 反訴被告は,反訴原告に対し,2000万円とこれに対する平成17年8月16日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。
  (4) 反訴被告は,反訴原告に対し,1000万円とこれに対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
 1 本件は,原告(反訴被告,以下「原告」という。)が,被告(反訴原告,以下「被告」という。)とは,婚姻直後から8年以上にわたり別居しており,原告・被告間の婚姻関係は破綻しているとして離婚を求める(本訴)のに対し,被告が,婚姻関係は破綻しておらず,仮に破綻しているとしてもその原因はもっぱら原告にあるため,原告からの離婚請求は信義則に反し許されないとしてこれを争うとともに,原告の請求認容を条件とする予備的反訴を提起して,長男の養育費についての裁判所の判断を求め,原告に対し,慰謝料2000万円と不法行為の後の日である平成17年8月17日から支払済みまで民法所定の年5分の遅延損害金の支払い,財産分与として1000万円と判決確定の日から支払済みまで民法所定の年5分の遅延損害金の支払いを求める事案である。

【要旨】
原告と被告は,婚姻当初は,お互いの仕事や学業の都合で別居生活をすることを承知していたのであるが,平成11年4月に原告が東京勤務となり,別居の必要がなくなった後も,原告が被告との同居を避けて別居を続け,その期間は,口頭弁論終結時点(平成19年9月5日)で,約8年5か月に及んでいる。同時点までの婚姻期間が約9年6か月であること,原告,被告双方の年齢が30代半ばであることなどを考えると,前述の別居期間は相当な長期間であると評価される。そして,この間,原告と被告の間にほとんど直接的な接触がないこと,原告の現在の行動などからは,もはや,婚姻関係の回復を期待することは困難であるといわざるをえず,原告と被告の婚姻関係はすでに破綻したと認めるのが相当である。
原告が有責配偶者であるとの認定を左右するに足りる証拠はない。原告からの離婚請求が信義誠実の原則に違反するとまではいえず,原告の離婚請求は認められる。

 

【リンク集】

 さいたま地方・家庭裁判所
 最高裁判所
 日本公証人連合会
 日本行政書士会連合会
 埼玉県行政書士会

 

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