農地転用手続きの流れ・添付書類・処理期間

農地転用の手続きは、申請書類を窓口(農業委員会など)に提出すればよいのですが、その申請書類を作るためには時間と労力を要します。

登記簿や公図の写しのように、法務局で申請すればすぐにもらえるものは入手が容易ですが、申請書類はそれだけではありません。

その土地の状況によって必要な書類が大きく変わってきますが、土地改良区の意見書や土地の関係権利者の同意などが必要な場合、それらをもらうために、書類を持って関係各所を回らなければなりません。ハンコをもらうために数日要するものもあります。

申請までの流れ

  1. 現況確認
    実際にどのように利用されているのか確認します。登記簿や公図の写しも確認します。
  2. 農業委員会に事前相談
    まずは相談に行きます。ここで申請に必要な情報を集めます。その農地がどんな農地なのか、どの申請になるのか、土地改良区の有無(あればどの区域か)、どこの意見書を集めればよいのかなど、申請書作成に必要なリストはここで得られます。ここに行かないと何が必要か分からないので、事前相談は必須です。
  3. 許可申請書・事業計画書などを作成、窓口と相談しながら書類を詰める
  4. 申請

大体このような流れになります。申請書が受理されれば、とりあえず一段落です。

次に、申請後の流れです。

都道府県知事許可の場合(4ha以下)

  1. 申請書提出(申請者→農業委員会)
  2. 意見を付して送付(農業委員会→知事)
  3. 意見聴取(知事→県農業会議)
  4. 意見提出(県農業会議→知事)
    2ha超4ha以下の場合は農林水産大臣(地方農政局長等)と協議
  5. 許可通知(知事→申請者)

農林水産大臣(地方農政局長等)の許可

  1. 申請書提出(申請者→知事)
  2. 意見を付して送付(知事→大臣)
  3. 許可通知(大臣→申請者)

農業委員会への届出(市街化区域内農地の転用)

  1. 届出書提出(届出者→農業委員会)
  2. 受理通知(農業委員会→届出者)

添付書類

添付書類はケースごとに異なりますが、以下に該当するものは基本的に必要です。

  • 法人の場合、定款(寄付行為)および法人登記簿(現在事項証明または全部事項証明)
  • 申請に係る土地の登記簿謄本
  • 申請に係る土地の地番を表示する図面
  • 転用候補地の位置および付近の状況を示す図面(縮尺1/10,000~1/50,000程度)
  • 転用候補地に建設しようとする建物または施設の面積、位置および施設間の距離を表示する図面(縮尺1/500~1/2,000程度
  • 所有権者以外の権原に基づく申請の場合には、所有者の同意書
  • 耕作者がいるときは、耕作者の同意書
  • 転用に関連して他法令の許認可等を了している場合には、その旨を証する書面
  • 申請に係る農地が土地改良区の地区内にある場合には、当該土地改良区の意見書
  • 転用事業に関連して取水または排水につき、水利権者、漁業権者その他関係権利者の同意を得ている場合には、その旨を証する書面
  • その他参考となるべき書類

農地転用事務の標準的な事務処理期間

申請してから許可が下りるまでの期間の目安です。

  • 都道府県知事許可
    6週間
    (農林水産大臣への協議を要する場合は、+3週間
  • 農林水産大臣許可
    事前審査 6週間
    許可申請 6週間

およそ1ヵ月半です。申請後は気長に待つしかありません。

なお、これはあくまで申請してからの期間なので、申請の準備を含めるともっとかかります。農振除外も含めると、半年以上~1年かかるケースもあります。


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